2m SSB ALPINIST GROUP

無線運用と空中電気に付いて

【空中電気】

空中電気は、雷とか雷雲とは、その変動には関わりますが、全く違う現象で、地球は地上
と電離層との間に、空気層を誘電体とする大きなコンデンサが形成されて居て、その電位
差は30万ボルト程とか、地上1mでの地表との電位差は、気象庁観測データに依ります
と柿岡観測所のデータに依れば、ここ数年は低い状況が続いて居て60V程度ですが、最
近で高かった年は1998年頃で平均140V程でした、この変化は太陽黒点との相関関
係が有る様です。
◎柿岡観測所の今日現在の観測データ・・
クリック

この電位は不安定で何時も変動して居て、雷雲発生などの時は極端に上昇し、また、高い
山などは電位曲線が密になるので平地より高くなり、高い時は1000V/m近くまで上
昇する事があます。

【空中電気と無線用アンテナの構造】

市販の固定局用GPアンテナはバイパス抵抗が入って居ますので影響は有りませんが、モ
ービルホイップやアローラインはこの影響を受けます。

アンテナ素子は絶縁物を介して、地上から高さが有り、もし、素子の高さが5m有ったと
すれば、空中電気が1000V/mの場合は、その電位差は5000Vにもなりますので
もし、バイパス抵抗が無い場合は問題になります。

【発生機構】

空気の乾燥している状態で、急に霧雨が降り始めるとか、急に霧が発生した様な場合、先
ず水分がアンテナ素子に付着し、それが蒸発した場合に発生します、それは水蒸気分子が
地上と同電位だったアンテナ素子からマイナス電荷を持ったまま出て行き、その周囲の空
気と同じ電圧まで上昇し、電位差が発生します。

【無線交信への影響】

まず、無線機にパリパリとノイズが入り始め、まもなく、無線機やマイクから人体や地上
に対し火花が飛びますので、即時中止しますが、何故かこれまで無線機が破壊された経験
は有りません。

【対策】

本来ならば、アンテナと無線機との接続部の間に抵抗BOXを接続すれば大丈夫ですが、
これが雷発生の予告現象でも有り、山では一番怖い突発落雷の警戒予告になりますので、
すぐにアンテナを畳んで下山する事を実行して居ります。

【空中電気の電圧測定法】

地面に高さ1mの碍子などの完全な絶縁体の上に金属片を置き、その上にお線香を立てて
点火しますと、煙の粒子が金属部分の電荷を持ったまま出て行き、有る時間を経過すると
金属片が周囲の電荷と同じになり、静電電圧計で測定しますと、その高さの電圧が表示さ
れます。

                記載・2011年10月       JO1MCF

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